セキュリティ

SECURITY

公開：2025-04-10

macOSの複数バージョンで特権昇格の脆弱性を修正、シンボリックリンクの検証強化で対策を実施

text: XEXEQ編集部
（記事は執筆時の情報に基づいており、現在では異なる場合があります）

記事の要約

• macOSの複数バージョンで特権昇格の脆弱性を修正
• macOS Ventura、Sequoia、Sonomaに対するセキュリティアップデート
• シンボリックリンクの検証強化による対策を実施

macOSの重要な特権昇格の脆弱性に対する修正

Appleは2025年3月31日、macOSの複数バージョンにおける特権昇格の脆弱性（CVE-2025-24254）に対する修正パッチをリリースした。この脆弱性は、シンボリックリンクの検証が不十分であることに起因しており、ユーザーが意図せず特権を昇格させられる可能性があることが判明している。^[1]

今回の修正対象となったバージョンは、macOS Ventura 13.7.5、macOS Sequoia 15.4、macOS Sonoma 14.7.5となっている。この脆弱性の深刻度は高く、CVSSスコアは8.8を記録しており、システムのセキュリティに重大な影響を及ぼす可能性があることが指摘されている。

脆弱性の種類はCWE-269（不適切な特権管理）に分類されており、攻撃者がネットワーク経由でシステムに影響を与える可能性がある。この問題に対してAppleは、シンボリックリンクの検証プロセスを改善することで、不正な特権昇格を防止する対策を実装している。

macOSの脆弱性情報まとめ

特権昇格について

特権昇格とは、コンピュータシステムにおいて通常のユーザー権限から管理者権限などの高位の権限を不正に取得することを指す。主な特徴として、以下のような点が挙げられる。

• システム全体に影響を与える可能性のある重大な脆弱性
• 管理者権限の取得による重要データへのアクセスが可能
• マルウェアの実行やシステムの改変のリスクが存在

今回のmacOSの脆弱性では、シンボリックリンクの検証が不十分であることが特権昇格の原因となっている。シンボリックリンクはファイルシステム上で別のファイルやディレクトリを参照するポインタとして機能するが、その検証メカニズムに問題があると、攻撃者が意図しない権限を取得できる可能性がある。

macOSのセキュリティアップデートに関する考察

Appleによる今回のセキュリティアップデートは、特権昇格という重大な脆弱性に対する迅速な対応として評価できる。シンボリックリンクの検証強化という具体的な対策は、同様の攻撃手法による被害を防ぐ上で効果的な解決策となることが期待できるだろう。

しかし、macOSの複数バージョンで同時に発見された脆弱性という点は、プラットフォーム全体のセキュリティ設計に関する再検討の必要性を示唆している。今後は開発段階での脆弱性検出プロセスの強化や、サードパーティ製アプリケーションとの連携における権限管理の見直しが求められるだろう。

また、特権昇格の脆弱性は攻撃者による権限奪取の足がかりとなる可能性が高いため、ユーザーの迅速なアップデート適用が重要となる。Appleには、セキュリティアップデートの重要性に関する啓発活動の強化と、アップデートプロセスの更なる自動化や簡素化が期待される。

参考サイト

1. ^ CVE. 「CVE: Common Vulnerabilities and Exposures」. https://www.cve.org/CVERecord?id=CVE-2025-24254, (参照 25-04-10).
1281
2. Apple. https://www.apple.com/jp/

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