セキュリティ

SECURITY

公開：2024-12-17

【CVE-2024-52829】Adobe Experience Manager 6.5.21以前に格納型XSS脆弱性、コンテンツ管理システムのセキュリティに警鐘

text: XEXEQ編集部
（記事は執筆時の情報に基づいており、現在では異なる場合があります）

記事の要約

• Adobe Experience Manager 6.5.21以前に脆弱性
• 格納型XSSの脆弱性が発見された
• 悪意のあるJavaScriptが実行される可能性

Adobe Experience Manager 6.5.21の脆弱性問題

Adobe社は2024年12月10日、Adobe Experience Manager 6.5.21以前のバージョンにおいて格納型クロスサイトスクリプティング（XSS）の脆弱性が発見されたことを公表した。この脆弱性は【CVE-2024-52829】として識別されており、攻撃者が脆弱性のあるフォームフィールドに悪意のあるスクリプトを挿入できる可能性があることが明らかになっている。^[1]

この脆弱性はCVSS 3.1のスコアリングシステムにおいて5.4点（重要度：中）と評価されており、攻撃元区分はネットワークで攻撃条件の複雑さは低いものとされている。攻撃には特権レベルが必要だが、ユーザーの関与も必要とされ、影響の想定範囲に変更があるとCISAによって報告された。

被害を受ける可能性のあるユーザーは、脆弱性のあるフィールドが含まれているページを閲覧した際に、ブラウザ上で悪意のあるJavaScriptが実行される危険性がある。この脆弱性は特に認証されたユーザーに対して影響を及ぼす可能性が高く、情報漏洩やセッションハイジャックなどのリスクが懸念されている。

Adobe Experience Manager 6.5.21の脆弱性まとめ

Adobe Experience Managerの脆弱性に関する詳細はこちら

格納型クロスサイトスクリプティングについて

格納型クロスサイトスクリプティング（Stored XSS）とは、Webアプリケーションの脆弱性の一種で、攻撃者が悪意のあるスクリプトをサーバーに保存し、後にそのページを訪れたユーザーのブラウザで実行される攻撃手法のことを指す。主な特徴として、以下のような点が挙げられる。

• 攻撃コードがサーバーに永続的に保存される
• 複数のユーザーに影響を与える可能性がある
• セッションハイジャックやフィッシング攻撃に悪用される

今回のAdobe Experience Managerの脆弱性では、攻撃者が特定のフォームフィールドに悪意のあるJavaScriptコードを挿入することが可能となっている。攻撃者は認証された状態でコードを挿入する必要があるものの、一度挿入されたコードは該当ページを訪れた他のユーザーのブラウザ上で実行される可能性があるため、早急な対応が求められる。

Adobe Experience Manager 6.5.21の脆弱性に関する考察

Adobe Experience Managerの格納型XSS脆弱性は、コンテンツ管理システムの性質上、特に重要な問題として捉える必要がある。この脆弱性は認証済みユーザーによる攻撃を前提としているため、内部犯行や認証情報の漏洩と組み合わさることで、より深刻な被害につながる可能性が考えられるだろう。

今後は同様の脆弱性を防ぐため、入力値のバリデーションやサニタイズ処理の強化が求められる。特にフォームフィールドの実装において、HTMLエスケープ処理やコンテンツセキュリティポリシー（CSP）の適切な設定が重要になるだろう。

Adobe Experience Managerの次期バージョンでは、XSS対策の強化だけでなく、機械学習を活用した不正パターンの検知や、より厳格なコンテンツ検証メカニズムの導入が期待される。セキュリティと使いやすさのバランスを保ちながら、より安全なコンテンツ管理プラットフォームへと進化することが望まれる。

参考サイト

1. ^ CVE. 「CVE-2024-52829 | CVE」. https://www.cve.org/CVERecord?id=CVE-2024-52829, (参照 24-12-17).

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