横浜市が水道スマートメーターの大規模導入を発表、令和7年から政令市最大規模の共同検針を実施へ

text: XEXEQ編集部
（記事は執筆時の情報に基づいており、現在では異なる場合があります）

PR TIMES より

記事の要約

横浜市水道局は東京電力パワーグリッド株式会社と連携し、令和7年10月から政令市最大規模となる水道スマートメーターの技術検証を開始する予定だ。この取り組みでは既存の電力通信ネットワークを活用することで通信コストの低減と安定性の検証を行い、市内全域への導入を目指している。^[1]

検証は保土ケ谷区の市営住宅約90戸と戸建て・店舗・共同住宅約110戸、西区と中区の合計約800戸の計1,000戸で実施される予定だ。水道スマートメーターへの取り替えにより自動検針を開始し、一定期間は人による指針値確認も併用することで確実性を担保するのである。

導入にあたってはコストが最大の課題となっているが、横浜市は東京都や大阪市と連携して仕様の共通化を推進することでコスト低減を図る計画だ。緑区十日市場町での携帯キャリアを使用した技術検証ではすでに安定性が確認されており、全国普及に向けた取り組みを加速している。

IoTルートとは水道・ガスメーターなどから電力スマートメーターへのアクセスルートのことを指しており、主な特徴として以下のような点が挙げられる。

横浜市の水道スマートメーター導入では、IoTルートを活用することで通信の効率化とコスト削減を図っている。電力スマートメーターのネットワークを共同利用することで、新規のインフラ整備を最小限に抑えながら、安定した自動検針システムの構築を実現するのだ。

横浜市の水道スマートメーター導入は自動検針による業務効率化だけでなく、リアルタイムでの使用量把握により漏水の早期発見や節水意識の向上にも貢献する可能性がある。既存の電力通信インフラを活用する共同検針方式は、新規設備投資を抑制しながら効率的なシステム構築を可能にするだろう。

一方で導入コストの課題に加え、通信環境の不安定な地域での運用や、メーター故障時の対応、データセキュリティの確保など、実運用面での懸念事項も存在している。仕様の共通化や他都市との連携を通じて、これらの課題を一つずつ解決していく必要があるだろう。

今後は単なる検針の自動化にとどまらず、AIによる使用量予測や効率的な水運用、防災対策への活用など、スマートメーターを活用した新たな付加価値の創出も期待される。横浜市の取り組みは、全国の水道事業のデジタル化における重要なモデルケースとなるはずだ。

^ PR TIMES. 「水道スマートメーターでもっと便利に！横浜市全戸導入に向けて取組を加速します！ | 横浜市デジタル統括本部のプレスリリース」. https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000110.000099300.html, (参照 24-12-27).

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