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公開：2024-12-26

環境省ナッジ事業で五島市民電力と連携し再生可能エネルギーの有効活用に向けた実証実験を実施、電力需要の昼シフトでCO2削減を目指す取り組みが話題に

text: XEXEQ編集部
（記事は執筆時の情報に基づいており、現在では異なる場合があります）

記事の要約

• 再エネ有効活用に向けた上げDR促進実験を実施
• 五島市民電力と連携し1,334件を対象に実証実験
• 電力使用時間の昼シフトでCO2削減を目指す

環境省ナッジ事業による再生可能エネルギー有効活用の実証実験

株式会社電力シェアリングは脱炭素社会実現を目指す新しい国民運動「デコ活」の一環として、環境省のナッジ事業を2024年7月に実施した。五島市ゼロカーボンシティ実現協議会及び五島市民電力と協力し、再生可能エネルギーの有効利用を目的とした電力の昼間需要増加に向けた社会実証実験を展開したのである。^[1]

実証実験では五島市民電力および取次店が提供する「ごとうの電気」利用者1,334件を対象に、電力利用時間帯のシフトを促す取り組みを31日間にわたって実施した。実験では昼12時から13時の電力使用量が直前の11時から12時の使用量を超えた場合にインセンティブを付与し、消費の昼シフトによるCO2削減効果を検証している。

実験終了後の対面インタビューでは、空調やアイロンがけの時間を昼にシフトするなどの具体的な行動変容が確認された。電気料金の無料化をきっかけに環境保全への意識が高まり、社会貢献への意欲向上にもつながったことから、金銭的インセンティブと社会性を組み合わせた新たなサービスモデルの構築に期待が集まっている。

環境省ナッジ事業の実証実験まとめ

デコ活の詳細はこちら

デマンドレスポンス(DR)について

デマンドレスポンス（DR）とは、電力需要と供給のバランスを取るために、需要家側の電力使用パターンを変更する取り組みのことを指す。主な特徴として以下のような点が挙げられる。

• 電力需給調整による系統安定化
• 再生可能エネルギーの有効活用促進
• 省エネルギーと環境負荷低減に貢献

今回の実証実験では、特に昼間の再生可能エネルギー由来の電力を有効活用するための上げDRに着目している。電力使用のピークを昼間にシフトさせることで再生可能エネルギーの余剰発電を効率的に活用し、環境負荷の低減を図る取り組みとなっている。

環境省ナッジ事業に関する考察

環境省ナッジ事業における電力シフトの実証実験は、再生可能エネルギーの有効活用と環境保全の両立を目指す画期的な取り組みである。特に金銭的インセンティブと環境保全意識の向上を組み合わせたアプローチは、持続可能な行動変容を促す効果的な手法になり得るだろう。

今後は実証実験の規模拡大に向けて、地域特性や気候条件による影響の検証が課題となることが予想される。電力需要のピークシフトによる系統安定化や再生可能エネルギーの余剰発電抑制など、多角的な効果検証が必要になってくるだろう。

将来的には AIやIoT技術を活用した需要予測の高度化や、より柔軟なインセンティブ設計の導入が期待される。電力の需給バランス最適化と環境保全の両立に向けて、ナッジ事業の知見を活かした新たなビジネスモデルの確立が望まれている。

参考サイト

1. ^ PR TIMES. 「環境省ナッジ事業の結果について～五島市民電力の協力を得て再エネの有効利用に向けた電力の上げDR促進実験 | 株式会社電力シェアリングのプレスリリース」. https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000042.000119617.html, (参照 24-12-26).

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