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公開：2025-01-11

MOL PLUSがHycamiteの低温メタン分解技術へ出資、海運業と様々な産業の脱炭素化に貢献へ

text: XEXEQ編集部
（記事は執筆時の情報に基づいており、現在では異なる場合があります）

記事の要約

• MOL PLUSがHycamiteへの出資を決定
• 低温メタン分解技術によりCO2排出ゼロの水素製造が可能
• 海運業と様々な産業の脱炭素化に貢献

MOL PLUSがHycamiteの低温メタン分解技術に出資

株式会社MOL PLUSは、フィンランドのHycamite TCD Technologies Ltd.が開発する低温メタン分解技術への出資を2025年1月9日に決定した。Hycamiteはオウル大学の応用化学研究に基づき、メタン分子をターコイズ水素と固体炭素に分解する独自技術を有しており、CO2排出ゼロかつ低コストでの水素製造を実現している。^[1]

Hycamiteの技術により生成されるターコイズ水素は、鉄鋼や化学、石油、ガス、セメントなどの幅広い産業での利用が期待されている。固体炭素についてもバッテリー製造や導電性ポリマー、電子機器、コンクリート製造など、高度な製造用途への適用が可能となっているのだ。

MOL PLUSは2024年10月にHycamiteと海運業におけるCO2排出量削減の取り組みに関する覚書を締結していた。今回の出資により、海運業での活用に加えて、様々な産業分野における脱炭素化の実現を目指している。

Hycamiteの低温メタン分解技術の概要

Hycamiteの詳細はこちら

ターコイズ水素について

ターコイズ水素とは、天然ガスの主成分であるメタンを熱分解して生成される水素のことを指す。主な特徴として、以下のような点が挙げられる。

• 製造工程でCO2を排出しない環境配慮型の水素
• 従来の水素製造方法と比較して生産コストが低い
• 固体炭素を副産物として生成可能

Hycamiteの低温メタン分解技術は、これまでの高温での熱分解に伴う課題を解決している。従来は熱分解温度が高く、生成される固体炭素の品質や活用に制限があったが、低温プロセスの確立により高品質な固体炭素の製造が可能となった。

低温メタン分解技術に関する考察

Hycamiteの低温メタン分解技術は、海運業界のCO2排出量削減という喫緊の課題に対して有効なソリューションとなる可能性を秘めている。特に大型船舶の動力源として活用できれば、グリーン化への大きな一歩となるだろう。

一方で、現状では技術の実用化に向けた実証実験や安全性の確認、インフラ整備など、解決すべき課題も存在している。特に船舶への導入においては、限られたスペースでの効率的な水素製造と貯蔵、そして安定的な供給システムの確立が不可欠となるだろう。

MOL PLUSの出資により、技術開発の加速や実用化に向けた取り組みが本格化することが期待される。さらに海運業以外の産業分野への展開も視野に入れることで、より広範な脱炭素化への貢献が可能となるはずだ。

参考サイト

1. ^ PR TIMES. 「商船三井CVC(MOL PLUS)が低温メタン分解技術を開発するHycamite社への出資を決定 | 株式会社MOL PLUSのプレスリリース」. https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000041.000080050.html, (参照 25-01-11).

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