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公開：2025-02-20

理研とGFLOPSが富岳サポートサイトの一次問い合わせ対応をAskDonaに完全移行、生成AI活用による効率化を実現

text: XEXEQ編集部
（記事は執筆時の情報に基づいており、現在では異なる場合があります）

記事の要約

• 理研が富岳サポートサイトでAskDonaによる一次問い合わせ対応を完全移行
• RAG技術を活用した生成AIチャットで回答精度が向上
• 導入から半年間の運用実績で十分な水準を確認

理研とGFLOPSによるAskDonaの一次問い合わせ対応完全移行

理化学研究所と株式会社GFLOPSは、スーパーコンピュータ「富岳」のサポートサイトにおいて、2025年2月18日より生成AIアシスタント「AskDona」による一次問い合わせ対応への完全移行を発表した。AskDonaは昨年7月より導入され、検索拡張生成技術を応用した生成AIチャットとして、複数ファイルを同時に対応できる独自のRAGの仕組みが高く評価されている。^[1]

約半年間の運用実績において、AskDonaは富岳利用者からの問い合わせに対して的確な回答を提供し、自己解決を促進するツールとして十分に活用されていることが確認された。ハルシネーションのリスクやユーザーの利用動向について慎重なデータ分析を行った結果、回答精度および実用性において十分な水準に達していると判断されている。

理研計算科学研究センターでは生成AIの活用を積極的に推進しており、AskDonaのRAG技術についてより深く理解を深めるためのウェビナーを2月20日に開催する予定だ。このウェビナーでは、高精度なRAG技術の実装方法について詳しい解説が行われ、参加者は事前登録制で無料で参加することができる。

AskDonaの機能まとめ

RAG技術について

RAGとは「Retrieval-Augmented Generation」の略称で、大規模言語モデルが回答を生成する際に外部のドキュメントやデータソースをリアルタイムで参照させる技術のことを指す。主な特徴として、以下のような点が挙げられる。

• 外部ドキュメントのリアルタイム参照機能
• ハルシネーション（誤情報の生成）の抑制効果
• 回答の正確性向上への寄与

AskDonaに実装されているRAG技術は、富岳のマニュアルや技術ドキュメントを参照しながらユーザーの質問に答える仕組みを備えている。GFLOPSが開発した独自のRAGの仕組みにより、大量かつ複数ファイルを同時に対応できる柔軟性と高い回答精度を実現している。

AskDonaの一次問い合わせ対応完全移行に関する考察

AskDonaの一次問い合わせ対応への完全移行は、AIによるサポート業務の効率化という点で画期的な取り組みだ。特に、スーパーコンピュータという高度な技術領域において生成AIが実用レベルの回答を提供できることが実証されたことは、今後のAI活用の可能性を大きく広げる成果となるだろう。

今後の課題として、技術の進化に伴う新しい問い合わせへの対応力の維持が挙げられる。富岳の利用方法や機能が更新される度に、AskDonaの知識ベースも適切に更新していく必要があるだろう。また、より複雑な技術的質問に対する回答の質を向上させるため、RAG技術のさらなる改良も期待される。

中長期的には、他の研究機関や技術サポート領域へのAskDonaシステムの展開も検討に値する。特に、複数の技術文書を横断的に参照できる特徴は、様々な分野のテクニカルサポートに応用できる可能性を秘めている。富岳での成功事例を基に、より広範な領域での活用が期待されるだろう。

参考サイト

1. ^ PR TIMES. 「理研、スーパーコンピュータ「富岳」サポートサイトにおける生成AIチャット「AskDona」の一次受け対応適用のお知らせ | 株式会社GFLOPSのプレスリリース」. https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000038.000132991.html, (参照 25-02-20).

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