経済

ECONOMY

公開：2025-03-05

九電工が台湾で水上太陽光発電のコーポレートPPA契約を締結、FamilyMartとDecathlonへの供給開始へ

text: XEXEQ編集部
（記事は執筆時の情報に基づいており、現在では異なる場合があります）

記事の要約

• 九電工が台湾でコーポレートPPAによる水上太陽光発電の売電を開始
• KiWiと契約しFamilyMartとDecathlonへ電力供給予定
• 台湾政府の2050年ネットゼロ排出目標に貢献

台湾での水上太陽光発電事業における新たな売電契約

九電工は東京センチュリー、CIEL ET TERRE TAIWAN、九電みらいエナジーと共同でSPCを設立し、2018年から台湾で水上太陽光発電事業を展開してきた。2025年3月1日からはKiWi New Energy Inc.とのコーポレートPPAに基づく売電へと切り替え、再生可能エネルギーの供給を開始している。^[1]

KiWi New Energy Inc.はAIグリーン電力取引プラットフォーム技術を活用し、持続可能なエネルギーソリューションを提供する企業として知られている。最終需要家としてTaiwan FamilyMart Co., Ltd.とDecathlon Taiwan Co., Ltd.への再生可能エネルギー供給が予定されており、環境負荷低減とエネルギーコストの最適化を目指している。

台湾政府は2050年ネットゼロ排出ロードマップの達成に向け、太陽光発電の導入目標を2030年までに30GW、2050年までに40～80GWと設定している。九電工は子会社のKyulien Environment Improving Co., Ltd.と連携し、海外での再生可能エネルギー事業の更なる拡大を図っていく方針だ。

水上太陽光発電事業の概要

コーポレートPPAについて

コーポレートPPAとは、Power Purchase Agreement（電力購入契約）の略称で、発電事業者と需要家との間で直接結ばれる電力供給契約のことを指す。主な特徴として以下のような点が挙げられる。

• 発電事業者が自社負担で発電設備を設置・運営
• 長期的な電力供給を保証する契約形態
• 再生可能エネルギーの安定供給を実現

水上太陽光発電事業において、コーポレートPPAは環境負荷の低減とエネルギーコストの最適化を同時に実現する重要な契約形態となっている。九電工のケースでは、KiWiを通じてFamilyMartやDecathlonといった大手小売企業への安定的な再生可能エネルギー供給を可能にしている。

台湾の水上太陽光発電事業に関する考察

台湾政府が掲げる2050年ネットゼロ排出目標に向けて、水上太陽光発電は限られた国土で効率的に再生可能エネルギーを生産できる重要な選択肢となっている。九電工の事業展開は、日本企業の技術力と現地企業のネットワークを組み合わせた好例として評価できるだろう。

今後は気候変動による異常気象や設備の経年劣化といった課題に直面する可能性があるが、定期的なメンテナンスと技術革新によって対応が可能である。水上設置型の特性を活かした冷却効果による発電効率の向上や、水面の有効活用による土地利用の最適化といった利点を最大限に生かすことが重要だ。

AIグリーン電力取引プラットフォームを活用したKiWiとの連携は、需給バランスの最適化や電力取引の効率化をもたらす可能性を秘めている。今後は蓄電システムとの統合やデジタル技術の活用により、より柔軟で効率的な再生可能エネルギーの供給体制が構築されることが期待される。

参考サイト

1. ^ PR TIMES. 「台湾水上太陽光発電事業におけるコーポレートPPAに基づく売電開始について | 株式会社九電工のプレスリリース」. https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000033.000137972.html, (参照 25-03-05).

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