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公開：2024-12-13

ノーチラスがスーパーフォーミュラで超低遅延AIシステムの実証実験を実施、5ミリ秒での高速処理を実現

text: XEXEQ編集部
（記事は執筆時の情報に基づいており、現在では異なる場合があります）

記事の要約

• ノーチラスが超低遅延AIシステムの実証実験を実施
• フォーミュラカーのテレメトリデータをリアルタイムで予測
• 処理時間5ミリ秒でAI推論を実現

スーパーフォーミュラでの超低遅延AIシステムの実証実験

ノーチラス・テクノロジーズは2024年11月8日および9日に実施されたスーパーフォーミュラRd8-9のレースにおいて、さくらインターネットとJRPと共同で超低遅延AIシステムの実証実験を実施した。本システムは21台のフォーミュラカーから送信されるテレメトリデータを用いて、ラップタイムやレース順位をリアルタイムで予測することに成功している。^[1]

本システムの特徴として、特別なチップを組み込むことなくオープンアーキテクチャで高速処理を実現している点が挙げられる。テレメトリデータの処理において、適切な前処理と一貫性を担保した永続化の書き込み処理を5ミリ秒で実行し、AI推論処理を5ミリ秒から20ミリ秒程度の時間で完了することが可能となった。

本実証実験はNEDOのプロジェクトの一環として実施され、次世代データベース「劔"Tsurugi"」を活用している。さくらインターネットが提供する計算基盤上でテレメトリデータを収集し、機械学習の処理を実行することで、高度なリアルタイム予測を実現することに成功した。

超低遅延AIシステムの処理性能まとめ

テレメトリデータについて

テレメトリデータとは、遠隔地から送信される測定データや制御データのことを指す。主な特徴として、以下のような点が挙げられる。

• センサーやデバイスからリアルタイムで送信される各種計測値
• 遠隔監視や制御に必要な情報を含むデータパケット
• 高速かつ信頼性の高い通信プロトコルを使用

本実証実験ではフォーミュラカーに搭載された送信ユニットから毎秒1,050パケットのテレメトリデータを送信している。データベースへの登録から機械学習による予測までを数ミリ秒単位で処理することで、レース中のリアルタイムな状況把握と予測を可能にしている。

超低遅延AIシステムに関する考察

本システムの実証実験は、特殊なハードウェアを必要としないオープンアーキテクチャでの高速処理を実現した点で画期的な成果を上げている。標準的なSQLとJavaライブラリを用いながら、ミリ秒単位での処理を実現したことは、今後のAIシステム開発における新たな可能性を示唆している。

今後の課題として、システムの安定性や可用性の向上が挙げられるだろう。リアルタイム処理においては、ネットワークの遅延や障害への対応が重要となる。光通信インフラの活用や分散処理の最適化により、より高速で信頼性の高いシステムの実現が期待される。

AI技術の活用においては、より多様な予測モデルの開発や精度向上も重要な課題となるはずだ。レース戦略の最適化やリスク予測など、より高度な分析機能の実装により、モータースポーツの新たな展開が期待できるだろう。

参考サイト

1. ^ PR TIMES. 「スーパーフォーミュラで走行中のレースカーの車載データを利用した超低遅延AIの実証実験を実施 | 株式会社ノーチラス・テクノロジーズのプレスリリース」. https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000004.000124881.html, (参照 24-12-13).

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