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公開：2024-12-22

ヤマハが米国シリコンバレーにCVCを設立、50百万米ドル規模の投資で音楽テック領域のイノベーション加速へ

text: XEXEQ編集部
（記事は執筆時の情報に基づいており、現在では異なる場合があります）

記事の要約

• ヤマハが米国シリコンバレーにCVCを設立し投資活動を開始
• 2025年1月に事業開発拠点を法人化し活動を強化
• 50百万米ドル規模のファンドを設立しスタートアップ投資を実施

ヤマハが米国シリコンバレーでCVC設立と事業開発拠点の法人化を発表

ヤマハ株式会社は、2024年4月に米国シリコンバレーに設置した事業開発拠点を2025年1月に法人化することを発表した。法人化によって現地の状況に即時に対応できる独立した活動が可能になり、グローバルな事業開発戦略の実現を目指している。設置からわずか半年で3件の米国企業との協業案件を成立させており、早期の成果を上げている。^[1]

新法人Yamaha Music Innovations LLCは、音・音楽を通じた世界中の人々のこころ豊かなくらしの実現を目指し、コーポレートベンチャーキャピタルを設立する。総額50百万米ドルの投資枠を設定し、既存の楽器・音響機器事業だけでなく、音楽ビジネス全体に関わる新規領域や隣接領域のスタートアップ企業への投資を行う予定だ。

新法人の代表には杉野祐介氏がPresident and CEOとして就任し、出資額は800千USドルでヤマハ株式会社が100%出資する。法人としての運営業務は2025年4月から開始される予定で、投資と事業開発の両輪によりイノベーション創出の加速を図っていく。

Yamaha Music Innovationsの概要

コーポレートベンチャーキャピタルについて

コーポレートベンチャーキャピタル（CVC）とは、事業会社が設立する投資ファンドのことを指す。主な特徴として以下のような点が挙げられる。

• 事業シナジーを重視した戦略的投資の実現
• 親会社の事業領域における知見を活用した投資判断
• 投資先との協業による新規事業開発の促進

ヤマハのCVCファンドは音楽関連領域を中心に投資を行い、レーベル事業や権利管理、AI音楽制作、配信プラットフォーム、クリエイター支援など幅広い分野をカバーする。エンタテインメントや教育、アート、メディア、ウエルビーイングなどの隣接領域も投資対象として視野に入れている。

シリコンバレーCVC設立に関する考察

ヤマハによるシリコンバレーでのCVC設立は、グローバルな音楽テクノロジー市場におけるプレゼンス強化という点で重要な意味を持っている。特に半年間で3件の協業案件を成立させた実績は、現地拠点設置の効果を示すものであり、法人化によってさらなる成果が期待できるだろう。

今後の課題として、投資先スタートアップとの文化的な違いや意思決定スピードの違いへの対応が挙げられる。シリコンバレーの急速な事業環境の変化に対応するためには、現地法人への権限委譲と本社との密接な連携バランスが重要になってくるだろう。

50百万米ドルという投資枠は、音楽テック領域における有望なスタートアップ発掘には十分な規模と言える。既存事業とのシナジー創出に加え、新規領域への展開を通じて、ヤマハの音楽エコシステムがどこまで拡大できるか注目される。

参考サイト

1. ^ PR TIMES. 「米国シリコンバレーにコーポレートベンチャーキャピタル設立 | ヤマハ株式会社のプレスリリース」. https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000921.000010701.html, (参照 24-12-22).

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