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公開：2024-12-22

積水化学が独自MIアプリ「RASIN」を正式運用開始、材料開発の効率化とイノベーション創出を加速

text: XEXEQ編集部
（記事は執筆時の情報に基づいており、現在では異なる場合があります）

記事の要約

• 積水化学が独自MIアプリ「RASIN」の正式運用を開始
• 研究開発者自身によるMI技術活用で材料開発の効率化を実現
• データ駆動型材料開発の基盤構築を目指す取り組みを推進

積水化学のMIアプリ「RASIN」で材料開発が効率化

積水化学工業株式会社は、材料開発におけるマテリアルズ・インフォマティクスの推進に向け、独自のMIアプリ「RASIN」を2024年12月20日に正式運用を開始した。RASINはR&D Accelerator for SEKISUI's Innovative Notionsの略称で、研究開発の羅針盤となることを意図した開発が行われており、短期間で効率的に材料特性や知見を見出すことが可能になっている。^[1]

積水化学は、サステナブルな社会の実現と企業としての持続的な成長の両立を目指す「Vision 2030」実現に向けた施策の一環として、MI専門部署の支援によるMIを活用した革新的な材料開発に取り組んでいる。これまでのMI活用により、さまざまな新材料の開発スピード向上や高度化を実現してきたのだ。

また、MI専門部署以外の研究開発者を対象とした教育プログラムを提供し、各部署での自律的なMI活用や全社での活用拡大に向けた取り組みを推進している。これにより、フィルムや複合材料、触媒分野など積水化学グループの材料開発領域でMI活用が進んでおり、市場へ展開されている製品も数多く存在するだろう。

RASINの主な特徴まとめ

マテリアルズ・インフォマティクスについて

マテリアルズ・インフォマティクスとは、統計分析などを活用したインフォマティクスの手法により、材料開発を効率化する取り組みのことを指す。主な特徴として、以下のような点が挙げられる。

• 従来の経験や勘に依存した開発手法からの脱却
• データ駆動型の材料開発による効率化
• 開発時間と費用の大幅な削減が可能

市場では製品ライフサイクルの短命化や資源の制約などを起点として材料開発への要求が多様化・高度化しており、世界的にマテリアルズ・インフォマティクスへの取り組みが本格化している。積水化学グループもこの潮流に乗り、独自のMIアプリ「RASIN」を開発し、データ駆動型材料開発の基盤構築を目指しているのだ。

RASINに関する考察

積水化学のMIアプリ「RASIN」は、これまでMI専門部署が蓄積してきた技術をすべての研究開発者が活用できる形で提供している点が優れている。プログラミング技術が不要なノーコードアプリとして開発されたことで、多くの研究開発者がMI技術を活用できるようになるだろう。

一方で、今後はデータの品質管理や標準化が重要な課題となる可能性がある。研究開発者が個別にMIを活用することで、データの形式や品質にばらつきが生じる可能性があるため、全社的なデータガバナンスの整備が必要になるだろう。

また、材料開発のデジタルトランスフォーメーションを加速させるためには、RASINのさらなる機能拡張が期待される。例えば、AIによる材料設計の最適化や、実験計画の自動化など、より高度な機能の追加により、材料開発の効率化がさらに進むことが望まれる。

参考サイト

1. ^ PR TIMES. 「材料開発でのMI活用推進に向け、独自アプリ「RASIN」の正式運用を開始 | 積水化学工業株式会社のプレスリリース」. https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000141.000099121.html, (参照 24-12-22).

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