経済

ECONOMY

公開：2024-12-22

Green Carbonがアフリカ投資フォーラムに登壇、農地活用型カーボンクレジット創出事業の展開を提案

text: XEXEQ編集部
（記事は執筆時の情報に基づいており、現在では異なる場合があります）

記事の要約

• Green Carbonがアフリカ開発銀行主催フォーラムに登壇
• アフリカの農地を活用したカーボンクレジット創出を提案
• 現地パートナーとの連携強化とJCM活用を目指す

Green Carbonのアフリカでのカーボンクレジット創出事業

Green Carbon株式会社は2024年12月4日から6日にかけて、モロッコの首都ラバトで開催されたアフリカ開発銀行主催のアフリカ投資フォーラム・マーケットデイズ2024に登壇した。同社は東南アジアでの実績を活かし、アフリカの自然資源を活用したカーボンクレジット創出事業の可能性について提案を行った。^[1]

Green Carbonはアフリカでの農業分野における脱炭素化プロジェクトの加速を目指しており、約1,200万haの水田を活用したAWD技術の導入による温室効果ガス削減や、コーヒーやとうもろこしなどの農業残渣を活用したバイオ炭プロジェクトの展開を提案している。これらのプロジェクトを通じて、アフリカの農業分野における効率化と脱炭素化に貢献することを目指すのだ。

現地パートナーとの協力関係強化を目指すGreen Carbonは、ケニアやチュニジア、エチオピア、セネガルなどのJCMパートナー国でのプロジェクト投資にも注力している。クレジットの登録から申請、販売までをワンストップで提供するプラットフォーム「Agreen」の開発も進められており、アフリカでの自然由来のカーボンクレジット創出の拡大が期待される。

アフリカでのカーボンクレジット創出プロジェクト概要

AWD技術について

AWD（間断灌漑）とは、水田の水位を目安に数日おきに入水と自然乾燥を繰り返す農業技術のことを指す。主な特徴として、以下のような点が挙げられる。

• 連続的な入水に比べて水使用量を大幅に削減可能
• メタンガス排出量の削減に効果的
• 水資源の保全に寄与する持続可能な技術

アフリカには約1,200万haの水田があり、特に灌漑設備を備えた水田においてAWD技術の導入余地が大きい。この技術の実装を通じたメタンガス排出削減により、カーボンクレジットの創出が期待できるほか、水資源の効率的な利用にも貢献することが可能である。

アフリカでのカーボンクレジット創出事業に関する考察

アフリカの広大な農地と多様な生態系を活用したカーボンクレジット創出事業は、地域の持続可能な発展に大きな可能性をもたらすものだ。特に水田でのAWD技術導入やバイオ炭プロジェクトは、農業生産性の向上と環境保全の両立を実現する革新的なアプローチとして評価できるだろう。

しかしながら、アフリカでのプロジェクト展開には資金不足や技術不足、制度的枠組みの不備など、様々な課題が存在している。これらの課題に対しては、現地パートナーとの強固な連携体制の構築や、JCMなどの国際的な支援制度の活用が重要な解決策となってくるだろう。

今後は農業分野での取り組みをさらに拡大し、マングローブ再生や植林活動など、より多様なカーボンクレジット創出プロジェクトへの展開が期待される。Green Carbonが開発中のプラットフォーム「Agreen」の活用により、プロジェクトの効率的な運営と規模の拡大が実現するものと考えられる。

参考サイト

1. ^ PR TIMES. 「Green Carbon株式会社は、アフリカ開発銀行主催のアフリカ投資フォーラム・マーケットデイズ2024に登壇しアフリカ全土の農地を活用した自然由来のカーボンクレジット創出を提案 | Green Carbon株式会社のプレスリリース」. https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000130.000117956.html, (参照 24-12-22).

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