【CVE-2025-25898】TP-Link TL-WR841ND V11にバッファオーバーフロー脆弱性、DoS攻撃のリスクが浮上
記事の要約
- TP-Link TL-WR841ND V11にバッファオーバーフロー脆弱性が発見
- pskSecretパラメータを介したDoS攻撃が可能に
- MITRE社がCVE-2025-25898として脆弱性を公開
TP-Link TL-WR841ND V11のバッファオーバーフロー脆弱性
MITRE社は2025年2月13日、TP-Link TL-WR841ND V11のWlanSecurityRpm.htmに存在するpskSecretパラメータにバッファオーバーフロー脆弱性が発見されたことを公開した。攻撃者は細工されたパケットを送信することで、サービス拒否攻撃(DoS)を引き起こすことが可能となっている。[1]
CISAはバッファオーバーフロー脆弱性に関する調査を行い、SSVCフレームワークによる評価では攻撃の自動化が可能であることが判明している。この脆弱性は2025年2月18日にCISA-ADPによって更新され、システムに対する部分的な影響が確認されているのだ。
この脆弱性はTP-Link TL-WR841ND V11のバージョン2.0.3に影響を及ぼすことが確認されており、2025年2月14日時点で攻撃コードの存在も確認されている。MITREはこの脆弱性をCVE-2025-25898として識別し、攻撃への対策が必要な状況となっている。
TP-Link TL-WR841ND V11の脆弱性情報まとめ
項目 | 詳細 |
---|---|
脆弱性ID | CVE-2025-25898 |
影響を受けるバージョン | 2.0.3 |
脆弱性の種類 | バッファオーバーフロー |
攻撃の影響 | サービス拒否攻撃(DoS) |
攻撃コードの有無 | 存在する |
更新状況 | CISA-ADPによる更新(2025年2月18日) |
バッファオーバーフローについて
バッファオーバーフローとは、プログラムが確保したメモリ領域(バッファ)を超えてデータを書き込もうとする際に発生する脆弱性のことを指す。主な特徴として、以下のような点が挙げられる。
- プログラムのクラッシュやシステムの不安定化を引き起こす可能性がある
- 攻撃者による任意のコード実行やDoS攻撃に悪用される可能性がある
- 入力値の適切な検証や境界チェックによって防止可能
TP-Link TL-WR841ND V11で発見されたバッファオーバーフロー脆弱性は、WlanSecurityRpm.htmのpskSecretパラメータに存在している。攻撃者は細工されたパケットを送信することでバッファオーバーフローを引き起こし、サービス拒否攻撃を実行することが可能となっている。
TP-Link TL-WR841ND V11の脆弱性に関する考察
TP-Link TL-WR841ND V11のバッファオーバーフロー脆弱性は、攻撃の自動化が可能であることが確認されており、早急な対策が必要な状況となっている。特に攻撃コードが既に公開されている点は深刻で、悪意のある攻撃者によって容易に攻撃が実行される可能性が高まっているのだ。
今後は製品のセキュリティ設計段階での入念なコードレビューや、脆弱性診断ツールの活用による早期発見が重要となってくる。同時にユーザー側でも、ファームウェアの定期的な更新やセキュリティアップデートの適用を徹底することで、脆弱性による被害を最小限に抑える必要があるだろう。
長期的な視点では、IoT機器のセキュリティ対策をより強化していく必要がある。特にルーターなどのネットワーク機器は攻撃の標的となりやすく、一度侵入を許すと深刻な被害につながる可能性が高いため、開発段階からのセキュリティ・バイ・デザインの考え方を徹底することが求められるだろう。
参考サイト
- ^ CVE. 「CVE: Common Vulnerabilities and Exposures」. https://www.cve.org/CVERecord?id=CVE-2025-25898, (参照 25-02-21).
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