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公開：2025-03-25

【CVE-2025-2480】Sante DICOM Viewer Proに重大な脆弱性、医療画像システムのセキュリティリスクが浮き彫りに

text: XEXEQ編集部
（記事は執筆時の情報に基づいており、現在では異なる場合があります）

記事の要約

• Sante DICOM Viewer Proにout-of-bounds write脆弱性
• 悪意のあるDCMファイルで任意コード実行の可能性
• バージョン14.1.2以前が影響を受ける

【CVE-2025-2480】Sante DICOM Viewer Proの重大な脆弱性

ICS-CERTは2025年3月20日、医療用画像ビューアソフトウェアSante DICOM Viewer Proにout-of-bounds write脆弱性が存在することを公表した。この脆弱性は悪意のあるDCMファイルを開くことで攻撃者による任意のコード実行を許してしまう可能性があるものだ。^[1]

この脆弱性はCVSS v4.0で基本スコア8.4（High）、CVSS v3.1で基本スコア7.8（High）と評価されており、深刻度が高いことが示されている。攻撃には特権は不要だがユーザーの操作が必要とされ、影響を受けるバージョンは0から14.1.2までのすべてのバージョンとなっている。

脆弱性の発見者はMichael Heinzl氏で、CISAに報告を行っている。Santesoftは脆弱性の詳細情報と対策について公式サイトで公開しており、影響を受けるバージョンのユーザーには早急なアップデートを推奨している。

脆弱性の影響範囲まとめ

Out-of-bounds Writeについて

Out-of-bounds Writeとは、プログラムが割り当てられたメモリ境界を超えてデータを書き込む脆弱性のことを指す。主な特徴として以下のような点が挙げられる。

• メモリの制御不備による境界外書き込み
• 任意コード実行やシステムクラッシュの可能性
• バッファオーバーフローの一種として分類

この種の脆弱性は特にC言語やC++などの低レベル言語で作られたプログラムで発生しやすく、攻撃者によって悪用された場合、システムに深刻な影響を及ぼす可能性がある。Sante DICOM Viewer Proの場合、DCMファイルの処理時にメモリ境界チェックが適切に行われていないことが原因として考えられている。

Sante DICOM Viewer Proの脆弱性に関する考察

医療用画像ビューアソフトウェアの脆弱性は患者データの漏洩やシステムの不正操作につながる可能性があり、医療機関のセキュリティに深刻な影響を及ぼす恐れがある。特にDICOMファイルは医療現場で広く使用されており、悪意のあるファイルを介した攻撃は現実的な脅威となっている。

今後の対策として、ファイル処理時のバリデーション強化やメモリ安全性の向上が重要となってくる。特にメモリ境界チェックの実装や、安全なプログラミング言語への移行なども検討する必要があるだろう。医療システムのセキュリティ強化は患者の安全に直結する重要な課題である。

将来的には、AIを活用した異常検知システムの導入や、ゼロトラストアーキテクチャの採用なども有効な対策となり得る。医療機器のセキュリティ基準の厳格化と、継続的な脆弱性診断の実施が、より安全な医療システムの実現につながるはずだ。

参考サイト

1. ^ CVE. 「CVE: Common Vulnerabilities and Exposures」. https://www.cve.org/CVERecord?id=CVE-2025-2480, (参照 25-03-25).
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