セキュリティ

SECURITY

公開：2025-03-26

フランクフルト空港がウォークスルー型セキュリティスキャナを世界初導入、搭乗手続きの効率化に貢献

text: XEXEQ編集部
（記事は執筆時の情報に基づいており、現在では異なる場合があります）

記事の要約

• フランクフルト空港がR&S QPS Walk2000を本格運用開始
• 保安検査が通常歩行でできるウォークスルー型に進化
• 1日約18,000人の搭乗客が新システムを利用

フランクフルト空港のQPS Walk2000導入による保安検査革新

フランクフルト空港は世界初となるウォークスルー型セキュリティスキャナの常設運用を2025年3月25日より開始した。ローデ・シュワルツのQPS Walk2000航空保安システムは、ターミナル1のコンコースAでの約1年間の試験運用を経てドイツ連邦警察から認可を取得しており、搭乗客が通常の歩行速度で通過できる画期的なスキャン技術を実現している。^[1]

QPS Walk2000は360度スキャンが可能なミリ波技術を採用しており、衣服を透過して危険物を検知した場合はアバター表示でリアルタイムに位置を特定することができる。保安検査員は警告が出た箇所のみを確認すればよく、全身の再スキャンが不要になったことで検査効率が大幅に向上している。

Fraport社は2023年1月から空港の保安検査管理を担当しており、約2,200万ユーロを投じてCT技術や革新的なレーン構成による検査場の整備を進めてきた。現在は約160の保安検査レーンを管理・運営しており、新システムは今後ターミナル1の他レーンや新ターミナル3への展開も予定されている。

QPS Walk2000システムの特徴まとめ

ミリ波技術について

ミリ波技術とは、周波数が30GHz～300GHzの電波を利用した通信・検知技術のことであり、以下のような特徴を持っている。

• 衣服などの物体を透過する能力が高く、非接触での検査が可能
• 高精度なイメージング能力により、物体の形状を詳細に把握可能
• 人体への影響が少なく、セキュリティ検査に適している

セキュリティスキャナにおけるミリ波技術は、従来のX線検査と比較して非接触かつ安全な検査を実現している。QPS Walk2000では、この技術を活用することで搭乗客の動きを妨げることなく、効率的な保安検査を可能にしている。

空港セキュリティシステムの革新に関する考察

フランクフルト空港のウォークスルー型スキャナ導入は、空港セキュリティの新たな指標となる可能性が高い。従来の保安検査では搭乗客の姿勢固定が必要であり、長時間の待ち時間が発生していたが、通常歩行での検査が可能になったことで、搭乗手続き全体の効率化と快適性の向上が期待できるだろう。

一方で、新システムの導入には高額な投資が必要となり、中小規模の空港への展開には課題が残る。ミリ波技術による検査精度の信頼性確保や、検査官のトレーニング体制の確立など、運用面での整備も重要になってくるだろう。

今後は人工知能との連携による検知精度の向上や、生体認証システムとの統合など、さらなる技術革新が期待される。空港における保安検査のデジタルトランスフォーメーションは、安全性と利便性の両立という課題に新たな解決策をもたらすことになるだろう。

参考サイト

1. ^ PR TIMES. 「フランクフルト空港は、搭乗客に対してローデ・シュワルツのウォークスルー・セキュリティ・スキャナを日常的に使用する世界初の空港となりました | ローデ・シュワルツ・ジャパン株式会社のプレスリリース」. https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000128.000104512.html, (参照 25-03-26).
3565

※上記コンテンツはAIで確認しておりますが、間違い等ある場合はコメントよりご連絡いただけますと幸いです。

「セキュリティ」に関するコラム一覧「セキュリティ」に関するニュース一覧