VR研究倫理学会が先端技術倫理学会へ、AIの倫理課題に対応し新理事5名を迎え検定制度も開始

text: XEXEQ編集部
（記事は執筆時の情報に基づいており、現在では異なる場合があります）

PR TIMES より

記事の要約

一般財団法人学会振興財団は2025年4月1日より、VR研究倫理学会を先端技術倫理学会へと名称変更し、新たな取り組みを開始することを発表した。この変更は急速に進展するAI技術が社会に与える影響を考慮し、より広範な先端技術の倫理課題に取り組むことを目的としている。^[1]

新体制では永井由佳里氏や宇佐美誠氏など5名の著名な研究者が新理事として就任し、AIを主とする先端技術の倫理に関する研究や審査、教育活動を展開していく。広報委員会と検定委員会を新設し、他の学会や大学との連携を強化することで、倫理意識の向上に努めていく。

先端技術倫理学会は2022年11月の設立以来、VR技術の倫理的課題に取り組んできたが、生成AIの急速な普及や医療へのAI導入など、社会の変化に対応するため活動範囲を拡大する。海外の最新動向を見据えつつ、分野別のガイドライン策定や倫理審査士養成のための検定制度を実施していく。

ELSIとは、「Ethical, Legal and Social Issues（倫理的・法的・社会的課題）」の略称であり、科学技術の発展に伴って生じる様々な課題を指す。主な特徴として以下のような点が挙げられる。

先端技術倫理学会においては、VRやAIなどの新技術がもたらす倫理的課題に対して、ELSIの観点から包括的な検討を行っている。特に、生成AIの普及に伴う新たな倫理的課題や医療分野でのAI活用における法的問題など、現代社会が直面する重要な課題に取り組んでいる。

先端技術倫理学会の設立は、急速に進展するAI技術と社会との調和を図る上で重要な意義を持つ。特に、VRからAIまでの幅広い先端技術を対象とすることで、技術間の相互作用や複合的な倫理的課題にも対応できる体制を整えることが期待できるだろう。

今後は、技術の進展スピードと倫理的検討のバランスが課題となる可能性が高い。特に、AIの自律的な判断や意思決定に関する倫理的ガイドラインの策定には、社会的合意形成と専門的知見の両立が求められるだろう。

検定制度の導入は、倫理的な理解を広く普及させる有効な手段となり得る。ただし、技術の急速な進展に合わせて、検定内容を継続的にアップデートしていく必要があるため、産学連携による知見の集約と実践的な教育プログラムの開発が重要になってくるだろう。

^ PR TIMES. 「【技術と倫理の架け橋】先端技術倫理学会｜AI時代の羅針盤として始動！新理事を迎え、検定制度も開始！ | 一般財団法人学会振興財団のプレスリリース」. https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000014.000113841.html, (参照 25-04-02).

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