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アークエッジ・スペースが革新的エネルギー技術実証衛星DENDEN-01を放出、宇宙での熱制御システム実験開始へ

text: XEXEQ編集部
(記事は執筆時の情報に基づいており、現在では異なる場合があります)

アークエッジ・スペースが革新的エネルギー技術実証衛星DENDEN-01を放出、宇宙での熱制御システム実験開始へ

PR TIMES より


記事の要約

  • アークエッジ・スペースが超小型衛星DENDEN-01を放出
  • 複数のエネルギー技術と高負荷ミッションの実証開始
  • ISSからの衛星放出を12月9日20時17分に実施予定

超小型衛星DENDEN-01のISSからの放出と技術実証ミッション

アークエッジ・スペースは、関西大学、福井大学、名城大学との共同研究グループで開発した超小型衛星DENDEN-01の打ち上げとISSへの輸送を完了した。同衛星は11月5日にファルコン9ロケットで打ち上げられ、NASAのドラゴン補給船CRS-31でISSに到着し、12月9日20時17分頃に宇宙空間への放出が予定されている。[1]

DENDEN-01は、JAXAとUNISECが公募した「きぼう」からの超小型衛星放出プログラム(J-CUBE)の2021年度打ち上げ枠に採択された1Uサイズの衛星だ。固-固相転移型潜熱蓄熱材を活用した電源温度安定化装置をはじめ、複数のエネルギー技術の軌道上実証を行う計画となっている。

アークエッジ・スペースは静岡県の3.9mパラボラアンテナと東京電機大学の3mパラボラアンテナを用いた地上通信を担当する。920MHz帯小型省電力無線通信によるバックアップ通信の機能検証と、地上センサデータの衛星経由での取得実験も実施される予定である。

DENDEN-01の主要機能まとめ

項目 詳細
衛星サイズ 10×10×10 cm (1Uサイズ)
主要技術 固-固相転移型潜熱蓄熱材による電源温度安定化装置
通信設備 3.9mおよび3mパラボラアンテナ、920MHz帯小型省電力無線通信
実証内容 エネルギー技術、高負荷ミッション、ストアー・アンド・フォワード技術
採択プログラム J-CUBE 2021年度打ち上げ枠(国内先進ミッション枠)
DENDEN-01プロジェクトの詳細はこちら

固-固相転移型潜熱蓄熱材について

固-固相転移型潜熱蓄熱材(SSPCM)とは、温度変化により結晶状態が変化し、熱を吸収または放出できる特殊な材料のことを指す。主な特徴として以下のような点が挙げられる。

  • 温度変化に応じて結晶構造が変化し熱エネルギーを制御
  • 宇宙空間での電源システムの温度安定化に有効
  • 従来の熱制御システムと比較して高効率な熱管理が可能

DENDEN-01では、このSSPCMを活用した電源温度安定化装置の実証を行う。宇宙空間という極限環境下での温度変化に対して、衛星の電源システムを安定的に保つことが期待されている。

DENDEN-01の技術実証に関する考察

DENDEN-01による固-固相転移型潜熱蓄熱材の実証は、将来の超小型衛星における電源システムの革新につながる可能性を秘めている。特に温度変化の激しい宇宙空間において、効率的な熱制御システムの実現は衛星の長期運用を可能にする重要な要素となるだろう。

しかし、新技術の実証には予期せぬ課題が発生する可能性も考えられる。宇宙空間での長期運用における材料の劣化や、想定外の温度変化への対応など、実証実験を通じて様々な知見を得る必要がある。地上での試験では得られない貴重なデータの収集と分析が重要になってくるだろう。

今後は本実証実験の結果を踏まえ、より高性能な熱制御システムの開発や、他の超小型衛星への応用展開が期待される。特にアークエッジ・スペースが目指す衛星コンステレーションの実現に向けて、効率的な電源システムの確立は重要な鍵を握ることになるだろう。

参考サイト

  1. ^ PR TIMES. 「アークエッジ・スペース、共同研究の革新的エネルギー技術実証衛星「DENDEN-01」が2024年12月9日に宇宙空間へ放出 | 株式会社アークエッジ・スペースのプレスリリース」. https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000036.000073065.html, (参照 24-12-09).

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