セキュリティ

SECURITY

公開：2024-12-17

【CVE-2024-44853】Open Robotics ROS2 navigation2にNULLポインタデリファレンスの脆弱性、高い深刻度で早急な対応が必要に

text: XEXEQ編集部
（記事は執筆時の情報に基づいており、現在では異なる場合があります）

記事の要約

• ROS2 navigation2の脆弱性が発見
• NULL pointer dereferenceによる問題が判明
• CVSS評価でHigh（7.5点）の深刻度を記録

Open Robotics ROS2 navigation2の脆弱性発見

Open RoboticsのRobotic Operating System 2（ROS2）navigation2 humbleバージョンにおいて、重大な脆弱性が2024年12月6日に発見された。computeControl()コンポーネントにおいてNULLポインタデリファレンスの問題が確認され、この脆弱性は【CVE-2024-44853】として識別されている。^[1]

CISAによる評価では、この脆弱性の悪用は自動化が可能であり、技術的な影響は部分的であると判断された。CVSSスコアは7.5（High）を記録しており、攻撃者は特別な権限や利用者の操作を必要とせずにシステムにアクセスできる可能性があることが明らかになっている。

この脆弱性はCWE-476（NULL Pointer Dereference）に分類されており、プログラムがNULLポインタを参照または逆参照しようとする問題を示している。CVSSベクトル文字列の分析から、攻撃者はネットワーク経由でアクセス可能であり、攻撃の複雑さは低いとされている。

ROS2 navigation2の脆弱性詳細

NULL Pointer Dereferenceについて

NULL Pointer Dereferenceとは、プログラムがNULLポインタを参照または逆参照しようとする際に発生する深刻なプログラミングエラーのことを指す。主な特徴として、以下のような点が挙げられる。

• プログラムのクラッシュや予期せぬ動作を引き起こす可能性
• メモリ管理の不適切な実装により発生
• サービス拒否攻撃に悪用される可能性

ROS2 navigation2の脆弱性では、computeControl()コンポーネントにおいてこの問題が発見された。攻撃者がこの脆弱性を悪用すると、システムの可用性に影響を与え、サービス拒否状態を引き起こす可能性があることが明らかになっている。

ROS2 navigation2の脆弱性に関する考察

ROS2 navigation2の脆弱性はロボット制御システムのセキュリティに大きな課題を投げかけている。特にNULLポインタデリファレンスの問題は、システムの安定性に直接影響を与える可能性があり、産業用ロボットや自律型システムの運用に支障をきたす可能性が高いだろう。

今後はロボットシステムの開発において、より厳密なメモリ管理とポインタ操作の検証が必要となるだろう。特にcomputeControl()のような重要なコンポーネントでは、NULL参照のチェックを徹底し、例外処理を適切に実装することが求められている。

将来的には静的解析ツールの活用やコードレビューの強化など、開発プロセスの見直しも検討する必要がある。ROS2コミュニティ全体でセキュリティ意識を高め、脆弱性の早期発見と修正に向けた取り組みを強化することが望まれるだろう。

参考サイト

1. ^ CVE. 「CVE-2024-44853 | CVE」. https://www.cve.org/CVERecord?id=CVE-2024-44853, (参照 24-12-17).

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