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公開：2024-12-20

ホンダが燃料電池システム専用工場を栃木県真岡市に設立、2027年度稼働で年間3万基の生産体制を構築へ

text: XEXEQ編集部
（記事は執筆時の情報に基づいており、現在では異なる場合があります）

記事の要約

• ホンダが燃料電池システム専用工場を栃木県真岡市に設立
• 2027年度の稼働開始を目指し生産能力年間3万基を予定
• 経済産業省のGXサプライチェーン構築支援事業に採択

ホンダが燃料電池システム専用工場の立ち上げを発表

本田技研工業は2024年12月18日、自社開発の次世代燃料電池システムを生産する専用工場を栃木県真岡市に設立すると発表した。新工場は2024年10月に四輪車のエンジン部品などの生産を終了したパワートレインユニット製造部の敷地と建屋を活用し、経済産業省が主導するGXサプライチェーン構築支援事業の補助金を受ける予定となっている。^[1]

新工場は自社開発の燃料電池システム専用工場としては本田技研工業として初となる施設で、年間3万基の生産能力を有している。最新鋭の生産設備を導入することで高効率かつ高品質な生産体制を確立し、2027年度の稼働開始を目指すことが明らかとなった。

本田技研工業は燃料電池システムの活用領域として、燃料電池車に加え、商用車や定置用発電機、建設機械の4つを主要分野に定めている。特に燃料電池トラック分野においては、2030年にシェア5％、2040年頃には野心的な目標としてシェア30％の獲得を目指している。

燃料電池システム専用工場の概要

燃料電池システムについて

燃料電池システムとは、水素と酸素の化学反応により電気を生み出すシステムのことを指す。主な特徴として以下のような点が挙げられる。

• 走行時にCO2を排出しないクリーンなエネルギー源
• 短時間での充填が可能で長距離走行に適している
• 商用車から建設機械まで幅広い用途に活用可能

本田技研工業は1980年代後半から燃料電池の基礎研究を開始し、燃料電池自動車の開発に取り組んできた歴史がある。2024年7月には新型燃料電池自動車CR-V e:FCEVを発売し、日本の自動車メーカーとして初めて外部から充電できるプラグイン機能を搭載している。

燃料電池システム専用工場に関する考察

本田技研工業による燃料電池システム専用工場の設立は、自動車業界における水素エネルギーの本格的な実用化に向けた重要な一歩となる可能性が高い。特に年間3万基という生産能力は、燃料電池システムの量産体制を確立する上で重要な指標となり、コスト削減や技術革新の加速にもつながるだろう。

一方で課題となるのは、水素ステーションなどのインフラ整備の進展状況と、燃料電池システムの普及に向けたコスト競争力の確保である。経済産業省の支援を受けることで初期投資の負担は軽減されるものの、長期的な市場成長のためには、さらなる技術革新とコスト低減が求められるだろう。

今後の展望として、商用車や建設機械など、多様な用途への展開が期待される。特に商用車分野では、長距離輸送や重量物輸送における環境負荷低減の切り札として、燃料電池システムの需要が高まる可能性が高い。

参考サイト

1. ^ 本田技研工業株式会社. 「Honda、次世代燃料電池システムの生産を行う新工場の立ち上げを決定 | Honda 企業情報サイト」. https://global.honda/jp/news/2024/c241218.html, (参照 24-12-20).
2. 経済産業省. https://www.meti.go.jp/index.html

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