【CVE-2024-47613】GStreamer 1.24.10未満で深刻な脆弱性を確認、NULLポインタ参照でEIPアドレス改ざんの危険性
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記事の要約
- GStreamerに深刻なNULLポインタ参照の脆弱性が発見
- バッファオーバーフローによりEIPアドレスの上書きが可能に
- GStreamer 1.24.10で修正済みのため早急な更新が必要
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GStreamer 1.24.10未満のバージョンでNULLポインタ参照の脆弱性を確認
マルチメディア処理用ライブラリGStreamerにおいて、深刻なNULLポインタ参照の脆弱性【CVE-2024-47613】が2024年12月11日に公開された。この脆弱性はgst_gdk_pixbuf_dec_flush関数内で発見され、スタックバッファオーバーフローによってEIPアドレスの上書きが可能となっている。[1]
具体的な問題として、vorbis_handle_identification_packet関数内のposition配列がスタック上に64サイズで確保されているにもかかわらず、vd->vi.channelsが64を超える場合にバッファの境界を超えて書き込みが行われる可能性がある。この際、GST_AUDIO_CHANNEL_POSITION_NONEという値が書き込まれ、GstAudioInfo構造体の上書きにつながる危険性が確認されている。
本脆弱性に関して、CVSSスコアは8.6(HIGH)と評価されており、攻撃の複雑さは低く特別な権限も必要としないことから、早急な対応が求められている。GStreamerの開発チームは既にバージョン1.24.10で修正を実施しており、影響を受けるバージョンを使用しているユーザーは速やかなアップデートが推奨される。
GStreamerの脆弱性詳細
項目 | 詳細 |
---|---|
CVE番号 | CVE-2024-47613 |
影響を受けるバージョン | 1.24.10未満 |
CVSSスコア | 8.6(HIGH) |
脆弱性の種類 | NULLポインタ参照(CWE-476) |
攻撃の前提条件 | 特別な権限不要、攻撃の複雑さは低い |
修正状況 | バージョン1.24.10で修正済み |
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NULLポインタ参照について
NULLポインタ参照とは、プログラムがメモリ上のNULL(何も存在しない)位置を参照しようとする際に発生する脆弱性のことを指す。主な特徴として、以下のような点が挙げられる。
- プログラムのクラッシュや異常終了を引き起こす可能性
- メモリ管理の不適切な実装により発生
- 権限昇格やコード実行につながる危険性
GStreamerで発見されたNULLポインタ参照の脆弱性は、スタックバッファオーバーフローと組み合わさることでより深刻な問題となっている。vorbis_handle_identification_packet関数内での不適切なメモリ管理により、攻撃者がEIPアドレスを上書きし、任意のコード実行につながる可能性が指摘されている。
GStreamerの脆弱性に関する考察
GStreamerの脆弱性対応における迅速な修正リリースは評価できるポイントだが、根本的な設計の見直しも必要かもしれない。特にvorbis_handle_identification_packet関数内での固定サイズバッファの使用は、より柔軟な実装方法に変更することでバッファオーバーフローのリスクを軽減できる可能性がある。
今後の課題として、同様の脆弱性を事前に検出するための静的解析ツールの導入や、コードレビューのプロセス強化が考えられる。特にメモリ管理に関する部分は、よりセキュアなプログラミング手法の採用や、自動化されたテストケースの拡充によって、品質向上が期待できるだろう。
GStreamerのような広く利用されているライブラリの脆弱性は、多くのアプリケーションに影響を及ぼす可能性がある。今後はセキュリティ面での考慮をより重視し、バッファサイズの動的な管理や、エラーハンドリングの強化など、より堅牢なアーキテクチャの採用を期待したい。
参考サイト
- ^ CVE. 「CVE-2024-47613 | CVE」. https://www.cve.org/CVERecord?id=CVE-2024-47613, (参照 24-12-20).
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