【CVE-2024-53951】InDesign Desktopにメモリ情報漏洩の脆弱性、ASLRバイパスの危険性が判明
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記事の要約
- InDesign Desktopにメモリ情報漏洩の脆弱性が発見
- ID19.5とID18.5.4以前のバージョンが影響を受ける
- 悪意のあるファイルを開くことでASLRバイパスの可能性
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InDesign Desktopに発見された危険な脆弱性
Adobe社は2024年12月10日、InDesign Desktopの複数バージョンに影響を与える脆弱性【CVE-2024-53951】を公開した。この脆弱性はID19.5およびID18.5.4以前のバージョンに影響を与えるメモリ情報漏洩の問題であり、悪意のあるファイルを開くことでASLRなどの保護機能をバイパスされる可能性がある。[1]
この脆弱性はCWE-125として分類される範囲外読み取りの問題であり、攻撃者が機密性の高いメモリ情報にアクセスできる可能性がある。CVSSスコアは5.5(Medium)と評価されており、ローカルからの攻撃が可能だが、ユーザーの操作を必要とする特徴がある。
Adobe社はこの脆弱性に関する詳細な情報をセキュリティ勧告APSB24-97として公開している。SSVCの評価によると、この脆弱性の自動化された攻撃の可能性はなく、技術的な影響は部分的であると判断されている。
InDesign Desktop脆弱性の詳細まとめ
項目 | 詳細 |
---|---|
CVE番号 | CVE-2024-53951 |
影響を受けるバージョン | ID19.5、ID18.5.4以前 |
脆弱性の種類 | Out-Of-Bounds Read (CWE-125) |
CVSSスコア | 5.5 (Medium) |
攻撃の条件 | 悪意のあるファイルを開く必要あり |
技術的影響 | ASLRバイパス、メモリ情報漏洩 |
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範囲外読み取りについて
範囲外読み取りとは、プログラムが割り当てられたメモリ領域の境界を越えてデータを読み取ろうとする脆弱性のことを指す。主な特徴として、以下のような点が挙げられる。
- プログラムが意図しないメモリ領域にアクセスする問題
- 機密情報の漏洩やシステムクラッシュの原因となる
- メモリ保護機構のバイパスに悪用される可能性がある
InDesign Desktopで発見された範囲外読み取りの脆弱性は、攻撃者が特別に細工されたファイルを用意し、ユーザーにそのファイルを開かせることで悪用可能となる。この脆弱性を利用することで、攻撃者はASLRなどのセキュリティ保護機能を回避し、システムのメモリ内容を読み取る可能性がある。
InDesign Desktop脆弱性に関する考察
InDesign Desktopの脆弱性対策において最も重要な点は、信頼できない送信元からのファイルを開かないという基本的なセキュリティ対策の徹底である。特にデザイン業界では外部からファイルを受け取る機会が多いため、ファイル受け取り時の検証プロセスを確立することが重要になるだろう。
今後はAdobeによるセキュリティアップデートの迅速な提供が期待されるが、組織内でのバージョン管理体制の整備も不可欠となる。特に大規模な組織では、複数バージョンが混在している可能性があり、脆弱性対策の遅延につながる可能性があるため、バージョン統一化のためのガイドラインの策定が求められるだろう。
また、InDesignのようなデザインツールでのセキュリティ機能強化も重要な課題となっている。特にファイル処理時のサンドボックス化やメモリ保護機能の強化など、より堅牢なセキュリティ機構の実装が今後の改善点として挙げられる。
参考サイト
- ^ CVE. 「CVE-2024-53951 | CVE」. https://www.cve.org/CVERecord?id=CVE-2024-53951, (参照 24-12-20).
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