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公開：2025-02-15

SIP CapitalがEnCharge AIに出資、アナログ・インメモリ技術で次世代AIチップの開発加速へ

text: XEXEQ編集部
（記事は執筆時の情報に基づいており、現在では異なる場合があります）

記事の要約

• SIP CapitalがEnCharge AIのシリーズBラウンドに出資
• 総額1億ドルの資金調達をTiger Globalが主導
• アナログ・インメモリ・コンピューティング技術でAI処理を効率化

EnCharge AIの革新的なAIアクセラレーター技術開発と資金調達

SIP Capitalは2025年2月14日、米新興企業EnCharge AI社のシリーズBラウンドへの出資を発表した。Tiger Globalが主導した本ラウンドでは総額1億ドル（約153億円）の資金調達が完了し、Samsung VenturesやRTX Ventures、Anzu Partnersなども参加している。^[1]

EnCharge AIが開発するアナログ・インメモリ・コンピューティング技術は、AIの処理能力を大幅に向上させながら電力消費を抑制することが可能である。米プリンストン大学での7年以上にわたる研究成果に基づく同社のコア技術は、5世代のシリコンチップで性能が実証されてきた。

現在のAI推論計算はクラウドデータセンターでの処理が一般的であり、膨大なコストと電力を消費する高性能チップが必要とされている。EnChargeの独自アーキテクチャは、アナログ処理とメモリを統合することで、主要なAIチップと比較してエネルギー使用量の大幅な削減を実現することが可能となる。

EnCharge AIの技術概要まとめ

インメモリ・コンピューティングについて

インメモリ・コンピューティングとは、データをメモリ内で直接処理する革新的な技術のことを指す。従来の処理方式と比較して、以下のような特徴を持っている。

• データ転送の削減によるレイテンシの低減
• メモリとプロセッサの統合による電力効率の向上
• 並列処理の効率化によるAI処理の高速化

EnCharge AIのアナログ・インメモリ・コンピューティング技術は、従来のデジタル処理とは異なりアナログ処理とメモリを統合することで、AIの推論処理に特化した効率的な演算を実現している。この技術革新により、データセンターのエネルギー消費を大幅に削減しながら、AI処理の高速化を達成することが可能となった。

EnCharge AIの技術革新に関する考察

EnCharge AIのアナログ・インメモリ・コンピューティング技術は、AIインフラの持続可能性という観点で画期的な進展をもたらす可能性を秘めている。従来のデジタル処理では避けられなかった電力消費の問題に対し、アナログとデジタルの利点を組み合わせた独自のアプローチで解決策を提示している。

一方で、既存のAIフレームワークやソフトウェアスタックとの互換性確保が今後の課題となる可能性がある。アナログ処理の特性を活かしつつ、デジタルシステムとの円滑な連携を実現するためには、開発者エコシステムの構築と標準化への取り組みが不可欠となるだろう。

今後はエッジデバイスからデータセンターまでを包括的にカバーする製品展開が期待される。特にエッジコンピューティングの分野では、低消費電力と高性能を両立する同社の技術が、IoTデバイスやモバイル機器におけるAI処理の新たな標準となる可能性を秘めている。

参考サイト

1. ^ PR TIMES. 「SIP Capital、アナログ・インメモリ・コンピューティングAIチップを開発する米新興企業EnCharge AIのシリーズBラウンドに出資 | SIP Global Tech Fund Ⅰ,Inc.のプレスリリース」. https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000015.000077746.html, (参照 25-02-15).
2. Samsung. https://www.samsung.com/jp/

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