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公開：2025-03-26

23andMeが連邦破産法第11章を申請、事業価値最大化に向け裁判所監督下で売却手続きへ

text: XEXEQ編集部
（記事は執筆時の情報に基づいており、現在では異なる場合があります）

記事の要約

• 23andMeが連邦破産法第11章の適用を申請
• 事業価値最大化のための売却手続きを促進
• アン・ウォジスキーCEOが辞任を発表

23andMeが連邦破産法第11章を申請、事業売却へ

米遺伝子検査企業の23andMeは2025年3月23日、米ミズーリ州東部地区破産裁判所に連邦破産法第11章の適用を申請したことを発表した。同社は事業価値を最大化するための売却手続きを促進することを目的としており、約35百万ドルのDIP（事業継続）融資を確保している。^[1]

破産手続き中も通常の事業運営を継続することを表明しており、顧客データの保管や管理、保護方法に変更はないとしている。また同社は、データプライバシーに関する透明性を維持する方針を示すとともに、買収者は顧客データの取り扱いに関して適用法を遵守する必要があると強調している。

この申請に先立ち、共同創業者のアン・ウォジスキー氏はCEO職を辞任することとなった。特別委員会による買収提案の拒否を受けての決定であり、同氏は取締役会メンバーとしては留まる方針だ。新たな経営体制として、ジョー・セルサベージ氏が暫定CEOに就任している。

23andMeの破産申請と事業売却に関する詳細

連邦破産法第11章について

連邦破産法第11章（チャプター11）とは、米国の破産法制度における再建型の法的手続きのことで、日本の民事再生法に相当する制度である。以下のような特徴を持つ制度として知られている。

• 債務者が事業を継続しながら再建計画を策定可能
• 債権者との交渉により債務の整理と返済計画を立案
• 裁判所の監督下で事業再生や資産売却を実施

米国では事業再生を目指す企業が活用する一般的な選択肢となっており、債務者が経営権を維持したまま事業を継続できる特徴がある。23andMeの場合、この制度を活用して事業価値を最大化するための売却手続きを進める方針を示しており、裁判所の監督下で入札プロセスを実施する予定だ。

23andMeの破産申請に関する考察

23andMeの破産申請は、遺伝子検査キット市場の成熟化やプライバシー懸念の高まりによる需要低迷が背景にあると考えられる。同社は2021年の上場時には60億ドルの評価額を誇っていたが、その後の業績悪化により5000万ドルまで急落しており、事業モデルの転換が急務となっていた。

今後の売却プロセスでは、顧客データの取り扱いが重要な焦点となるだろう。買収者は適用法の遵守が求められるものの、約700万人分の遺伝子データという機微な個人情報の管理責任が問われることになる。プライバシー保護と事業価値の両立が、成功の鍵を握ることになるだろう。

遺伝子検査ビジネスの将来においては、医療分野との連携や研究開発での活用など、新たな収益モデルの構築が求められている。23andMeの再建プロセスは、個人向け遺伝子検査市場全体の今後の方向性を占う重要な事例となる可能性が高い。

参考サイト

1. ^ 23andMe, Inc.. 「23andMe Initiates Voluntary Chapter 11 Process to Maximize Stakeholder Value Through Court-Supervised Sale Process」. https://investors.23andme.com/news-releases/news-release-details/23andme-initiates-voluntary-chapter-11-process-maximize, (参照 25-03-26).
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