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キヤノンITSが西東京データセンターで液冷設備の実稼働を開始、高性能サーバーの効率的な冷却を実現

text: XEXEQ編集部
(記事は執筆時の情報に基づいており、現在では異なる場合があります)


記事の要約

  • キヤノンITSが西東京データセンターで液冷設備を稼働開始
  • HPE Cray XD2000サーバーの冷却に対応する設備を提供
  • 1ラックあたり100kWの超高負荷サーバーを冷却可能

西東京データセンターにおける液冷設備の実稼働開始

キヤノンITソリューションズは西東京データセンターで液冷設備の稼働を12月から開始し、顧客所有のHPE Cray XD2000サーバーの冷却を実現している。直接冷却方式を採用することでCPUGPUの直上に取り付けたコールドプレートまで冷却液ホースを引き込み、効率的な冷却を可能にしている。[1]

液冷設備はサーバー室向けの空調機で使用する空冷モジュールチラーで生成した冷水をサーバー室内の床下に引き込み、ラック内の熱交換ユニットに供給する仕組みを採用している。CPU/GPUの熱は熱交換ユニットで冷水と熱交換され、70~80%の排熱を回収することで効率的な冷却を実現している。

キヤノンITSは製造業の顧客からの要望に応え、3月頃のサーバー設置の打診から4カ月程度という短期間で冷却設備を整備した。日本データセンター協会が定めるティア4レベルの安全性を備えた設備を提供し、冷水配管は2Nの冗長構成を採用している。

液冷設備の主要機能まとめ

項目 詳細
冷却方式 直接液冷方式(DLC:Direct Liquid Cooling)
対応サーバー HPE Cray XD2000(高密度型サーバー)
冷却能力 1ラックあたり100kW
排熱回収率 70~80%(残り20~30%は空冷方式)
安全性基準 ティア4レベル、2N冗長構成

直接液冷方式について

直接液冷方式とは、CPUやGPUなどの発熱部品に直接冷却液を接触させて熱を除去する冷却技術のことを指す。主な特徴として、以下のような点が挙げられる。

  • 従来の空冷方式と比較して高い冷却効率を実現
  • 発熱部品に直接アプローチすることで効率的な熱除去が可能
  • データセンターの省エネルギー化に貢献

直接液冷方式は高性能コンピューティング環境において重要な役割を果たしており、生成AIや製品設計、シミュレーションなどの高負荷処理に対応している。キヤノンITSの西東京データセンターでは、この技術を活用することで1ラックあたり100kWという超高負荷サーバーの冷却を実現している。

液冷設備の実稼働開始に関する考察

西東京データセンターにおける液冷設備の導入は、高性能コンピューティングの需要増加に対応する重要な一歩となっている。特に生成AIや製品設計、シミュレーションなどの高負荷処理に対応できる環境を整備したことで、製造業を中心とした顧客のニーズに応えることが可能になった。

今後の課題として、液冷設備の運用コストや保守管理の最適化が挙げられる。冷却液の管理や設備の定期的なメンテナンスなど、新たな運用ノウハウの蓄積が必要となるだろう。解決策として、運用データの収集・分析による予防保守の実施や、運用体制の強化が考えられる。

将来的には、より効率的な冷却技術の開発や環境負荷の低減に向けた取り組みが期待される。データセンターの省エネルギー化と高性能化の両立は、持続可能なIT基盤の実現に向けた重要な課題となっていくだろう。

参考サイト

  1. ^ キヤノンITソリューションズ株式会社. 「西東京データセンター|データセンターサービス|ITインフラサービス SOLTAGE|キヤノンITソリューションズ」. https://www.canon-its.co.jp/solution/industry/cross-industry/soltage/idc/idc-west-tokyo, (参照 24-12-20).

※上記コンテンツはAIで確認しておりますが、間違い等ある場合はコメントよりご連絡いただけますと幸いです。

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