【CVE-2025-1052】Mintty 3.7.1にヒープベースバッファオーバーフロー脆弱性、Sixel画像処理での任意コード実行が可能に
記事の要約
- Minttyに深刻なヒープベースバッファオーバーフロー脆弱性
- Sixel画像処理時にリモートコード実行が可能に
- 特権不要で攻撃可能だが、ユーザー操作が必要
Mintty 3.7.1のヒープベースバッファオーバーフロー脆弱性
Zero Day Initiativeは2025年2月11日、Mintty 3.7.1に影響を及ぼすヒープベースバッファオーバーフロー脆弱性を公開した。この脆弱性はSixel画像の解析処理において、ユーザーが提供したデータの長さを適切に検証せずにヒープベースのバッファにコピーしてしまう問題が存在している。現在のユーザーコンテキストで任意のコードを実行される可能性が報告されているのだ。[1]
この脆弱性【CVE-2025-1052】は、CWEによる脆弱性タイプではヒープベースバッファオーバーフロー(CWE-122)に分類されており、CVSSスコアは8.8(HIGH)と評価されている。この問題を悪用するには悪意のあるページにアクセスするか、悪意のあるファイルを開く必要があるが、脆弱性の影響度は極めて高い状態だ。
特に深刻なのは、この脆弱性を悪用するために特別な権限が必要ないという点である。攻撃者は悪意のあるSixel画像を用意し、ユーザーにアクセスさせることで攻撃を実行できる可能性がある。Zero Day Initiativeはこの脆弱性をZDI-CAN-23382として追跡しており、早急な対策が求められている。
Mintty 3.7.1の脆弱性詳細
項目 | 詳細 |
---|---|
CVE番号 | CVE-2025-1052 |
脆弱性の種類 | ヒープベースバッファオーバーフロー |
影響を受けるバージョン | Mintty 3.7.1 (Git-2.45.1-64-bit.exe) |
CVSSスコア | 8.8 (HIGH) |
公開日 | 2025年2月11日 |
追跡ID | ZDI-CAN-23382 |
ヒープベースバッファオーバーフローについて
ヒープベースバッファオーバーフローとは、プログラムがヒープメモリ領域に割り当てられたバッファの境界を超えてデータを書き込んでしまう脆弱性のことを指す。主な特徴として、以下のような点が挙げられる。
- メモリの動的割り当て領域で発生する境界チェックの不備
- 任意のコード実行やシステムクラッシュの可能性
- データの整合性や機密性に重大な影響を及ぼす可能性
ヒープベースバッファオーバーフローは特に画像処理やファイル処理において発生しやすい脆弱性である。Minttyの事例では、Sixel画像の解析処理においてユーザー入力データの長さを適切に検証していなかったことが原因で、攻撃者による任意のコード実行が可能な状態となっていた。
Minttyの脆弱性対策に関する考察
Minttyの脆弱性対策において最も重要なのは、ユーザー入力データの徹底的な検証メカニズムの実装である。Sixel画像処理時のバッファサイズチェックを強化することで、オーバーフロー攻撃を未然に防ぐことが可能となるだろう。また、開発者はメモリ安全性を重視したコーディングプラクティスを採用し、静的解析ツールによる定期的なコードレビューを実施することが推奨される。
今後はSixel画像処理エンジンの完全な見直しが必要となる可能性が高い。特にバッファサイズの動的調整機能やメモリ保護機能の実装、さらにはサンドボックス環境での画像処理の実現など、複数層での防御態勢の構築が求められるだろう。ユーザーの利便性を損なわずにセキュリティを向上させる方法の模索が続くと考えられる。
また、類似の脆弱性が他のターミナルエミュレータでも発見される可能性を考慮する必要がある。Sixel画像フォーマットの仕様自体の見直しや、より安全な代替フォーマットの採用を検討することで、エコシステム全体のセキュリティ向上につながる可能性もある。業界全体での知見の共有と、オープンソースコミュニティの協力が不可欠となるだろう。
参考サイト
- ^ CVE. 「CVE: Common Vulnerabilities and Exposures」. https://www.cve.org/CVERecord?id=CVE-2025-1052, (参照 25-02-21).
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