アルバックが量子コンピューター向け次世代希釈冷凍機を開発、IBMと連携し2026年から本格展開へ

text: XEXEQ編集部
（記事は執筆時の情報に基づいており、現在では異なる場合があります）

PR TIMES より

記事の要約

株式会社アルバックとアルバック・クライオ株式会社は、量子コンピューターの安定動作に不可欠な次世代希釈冷凍機の開発をIBMと連携して2025年3月21日に発表した。海外製品が主流となっている日本市場において、国内生産体制を構築することで、より迅速かつ安定的な技術供給を実現していく方針だ。^[1]

アルバックは希釈冷凍機やパルスチューブ冷凍機、真空部品をすべて自社で開発・製造することにより、安定した供給と長期的サポートを両立させることが可能となった。さらに10mKレベルの極低温環境を提供し、将来的な大規模量子コンピューターへの対応を想定したモジュール設計を採用している。

本年中には米国ニューヨーク州ポキプシーのIBM量子データセンターでの試験実施が予定されており、2026年初頭からの産業展開に向けて準備を進めている。納期の長期化やメンテナンス対応の遅れといった現状の課題を解決し、日本の量子技術発展を根幹から支える体制を整えていく。

希釈冷凍機とは、量子コンピューターの中核をなす超伝導量子ビットを動作させるために必要な極低温環境を実現する装置のことを指す。主な特徴として、以下のような点が挙げられる。

現在の量子コンピューター研究および産業分野では、海外メーカー製の希釈冷凍機が広く使用されているが、納期の長期化やメンテナンス対応の遅れが課題となっている。アルバックの国内生産による安定供給は、これらの課題解決に大きく貢献することが期待されている。

アルバックによる次世代希釈冷凍機の国内生産体制の確立は、日本の量子コンピューター研究開発における重要な転換点となる可能性が高い。特に納期やメンテナンス対応の改善は、研究機関や企業の開発効率を大きく向上させることが期待できるだろう。

しかし、量子コンピューター市場の急速な拡大に伴い、製造キャパシティの確保や技術者の育成が新たな課題として浮上する可能性がある。これらの課題に対しては、段階的な生産能力の拡大と、産学連携による人材育成プログラムの確立が有効な解決策となるだろう。

今後はIBMとの連携をさらに深め、グローバルな技術標準への適合性を確保しながら、独自の強みを活かした製品開発を進めることが重要となる。特に大規模量子コンピューターの実現に向けて、冷却技術のさらなる革新と安定性の向上が期待される。

^ PR TIMES. 「アルバック、量子コンピューター向け次世代希釈冷凍機を開発、2026年市場投入へ | 株式会社アルバックのプレスリリース」. https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000007.000151150.html, (参照 25-03-22).
IBM. https://www.ibm.com/jp-ja

※上記コンテンツはAIで確認しておりますが、間違い等ある場合はコメントよりご連絡いただけますと幸いです。

「コンピュータ」に関するコラム