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公開：2025-03-29

東急不動産がリゾート事業でネイチャーポジティブ宣言、生物多様性の定量化に向け独自手法の検討開始

text: XEXEQ編集部
（記事は執筆時の情報に基づいており、現在では異なる場合があります）

記事の要約

• 東急不動産がリゾート事業でネイチャーポジティブ宣言を表明
• 生物多様性の定量化手法の独自検討に着手
• 東急リゾートタウン蓼科が自然共生サイトに認定

東急不動産のリゾート事業における環境保全への取り組み強化

東急不動産ホールディングス株式会社は、環境省が実施する「2030生物多様性枠組実現日本会議」のネイチャーポジティブ宣言に参加を表明し、2025年3月27日にリゾート事業における新たな取り組みを発表した。東急不動産のウェルネス事業ユニットと東急リゾーツ＆ステイ株式会社は、MS＆ADインターリスク総研株式会社と株式会社地域環境計画と共同で、リゾート事業地における生物多様性価値の定量化に向けた検討を開始している。^[1]

東急不動産ホールディングスグループは2011年に生物多様性方針を策定し、2023年6月にはTNFDフォーラムに参加するなど、環境経営を積極的に推進してきた。国内不動産業で初めてTNFDレポートを発行し、自然資本に対するリスクと機会、依存とインパクトについて、バリューチェーン全体での評価を実施している。

東急リゾートタウン蓼科では2024年2月にスキー場・ゴルフ場を含めたリゾート施設として初めて自然共生サイトの認定を取得した。2023年時点で1,699種の動植物が確認され、環境省や長野県のレッドリストに含まれる希少種が32種類確認されるなど、生物多様性の保全に大きく貢献している。

ネイチャーポジティブ宣言の概要

生物多様性の定量化について

生物多様性の定量化とは、生態系における種の多様性や個体数を数値化して評価する手法のことを指す。主な特徴として以下のような点が挙げられる。

• 生態系の健全性を客観的に評価可能
• 保全活動の効果を数値で把握
• 経年変化の科学的な分析が可能

東急不動産のリゾート事業では、生物の分布や保全への貢献度を数値化し、ネイチャーポジティブに関する定量的目標を設定している。特に潜在性の高い事業地を優先的に選定し、地域社会と連携しながら具体的なアクションを実施することで、生物多様性の保全と向上を目指している。

ネイチャーポジティブ宣言に関する考察

東急不動産のネイチャーポジティブ宣言は、リゾート施設における環境保全と事業成長の両立を目指す先進的な取り組みとして評価できる。生物多様性の定量化手法の確立により、保全活動の効果を可視化し、より効果的な施策の立案が可能になるだろう。

一方で、生物多様性の定量化には長期的なモニタリングと専門的な知識が必要となり、人材育成や体制構築が課題となる可能性がある。地域社会や専門機関との連携を強化し、持続可能な取り組みとして定着させることが重要だ。

今後は、定量化手法の標準化や他企業との連携による取り組みの拡大が期待される。特に観光業界全体での生物多様性保全の機運を高め、業界全体でネイチャーポジティブな事業展開を推進していくことが望ましい。

参考サイト

1. ^ PR TIMES. 「環境先進企業を目指して生物多様性取り組みをさらに推進リゾート事業における「ネイチャーポジティブ宣言」を表明 | 東急不動産株式会社のプレスリリース」. https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000463.000006953.html, (参照 25-03-29).
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