TOPPANデジタルが画像の真正性を証明する実証実験を開始、フェイクニュース対策に向けた取り組みを本格化

text: XEXEQ編集部
（記事は執筆時の情報に基づいており、現在では異なる場合があります）

PR TIMES より

記事の要約

TOPPANデジタル株式会社は画像データの真正性を証明する実証実験を2024年10月11日より開始した。画像に対して電子透かしとC2PA規格に準拠した来歴情報を埋め込むことで情報源や改ざんの有無を確認することが可能となり、平将明衆議院議員の公式サイトで実証実験が行われている。^[1]

本実証実験では2022年2月に開発したアバター管理基盤「AVATECT」の電子透かし付与機能を活用し、公式サイトに公開される活動実績などの画像に対して出所と信ぴょう性を証明する技術を適用している。フェイクニュースや偽情報の抑止に向けて、画像の改ざんや不正使用を防ぐ仕組みの有効性を検証するものだ。

実証実験の中間報告では電子透かしとC2PA規格に準拠した来歴情報が画像のアップロード後も保持され偽情報と本物の判別が可能であることが確認された。一方でSNSへの投稿時には画像圧縮により電子透かしの劣化や来歴情報の欠落が発生する課題も判明したため、SNS毎の対策が必要となっている。

項目	詳細
実証期間	2024年10月11日～2024年12月27日
対象技術	電子透かし、C2PA規格準拠の来歴情報
実証サイト	平将明衆議院議員公式サイト
検証内容	検出精度と改変耐性の技術評価、SNSでの二次利用時の性能検証
確認結果	偽情報判別可能、SNS投稿時の画質劣化課題を確認

電子透かしとは、画像や動画、音声などのデジタルコンテンツに対し、特定の情報を人には知覚できない形で埋め込む技術のことを指す。主な特徴として、以下のような点が挙げられる。

本実証実験では電子透かし技術をアバター管理基盤「AVATECT」から画像データへと応用範囲を拡大している。デジタルコンテンツの真正性を確保する手段として期待され、政治分野における情報発信の信頼性向上にも貢献することが期待されている。

画像の真正性を技術的に担保する取り組みは、デジタル社会における情報の信頼性確保において重要な意味を持つものである。特にAI技術の進歩により画像の改ざんが容易になっている現状において、電子透かしと来歴情報による真正性の証明は有効な対策になり得るだろう。

しかし現状ではSNSでの画像圧縮による情報の劣化や欠落という課題が存在しており、プラットフォーム側との連携や技術的な改善が必要不可欠である。画像圧縮アルゴリズムに対する耐性を高めつつ、各SNSの仕様に最適化された形での情報埋め込み手法の確立が望まれるだろう。

今後は選挙をはじめとする政治分野に限らず、著名人のコンテンツ保護など幅広い用途での活用が期待される。デジタルコンテンツの信頼性確保という社会的課題に対し、技術面からのアプローチを着実に進めることで、より安全で信頼できる情報流通の実現につながることが期待されている。

^ PR TIMES. 「TOPPANデジタル、デジタルコンテンツの真正性を証明する実証を実施 | TOPPANホールディングス株式会社のプレスリリース」. https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000001567.000033034.html, (参照 24-12-19).

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